面接は、転職における山場といっても過言ではありません。流れをあらかじめ理解しておいて、しっかりと対策をしておけば内定にもグッと近づきます。この記事では、下記について詳しく解説していきます。
- 一般的な面接の流れと所要時間について
- 詳しい面接の流れと対策のポイントについて
面接当日になって焦らないよう、事前に練習や準備をしておきましょう!
一般的な面接の流れと面接の所要時間

一般的な面接の流れと時間は下記の通りです。
- 入室と自己紹介(3分)
- 現在の仕事内容(3分)
- 転職理由(5分)
- 志望動機(3分)
- 募集内容の説明(5~10分)
- 条件の確認(5~10分)
- 質疑応答(5分)
- 退室~お見送り(5分)
一般的な転職面接の流れは上記の通りで、合計25~30分ほどです。流れに沿って、各項目のポイントもご紹介します。
訪問~入室までの流れとポイント
以下にて、訪問~入室までの流れを紹介していきます。
訪問・受付のポイント
訪問までの間に何よりも重要なのは「遅刻をしないこと」です。ゆとりをもって家を出発し、なるべく30分前に、そうでなくても約束の10分前には会社のロビーにつくようにしておきましょう。何らかの理由で遅刻してしまう場合は、遅れると分かった瞬間電話をいれ、到着時間を伝えます。
コートを羽織っている際はビルに入る前にキレイに折りたたみ、スマホをOFFにしておきます。会社のあるビルに入ったら、お手洗いで身だしなみを再度チェック。身だしなみを整えたら、5分前に会社の受付へ向かいましょう。
受付での定型文は下記の通りです。
「お世話になっております。本日○時に人事ご担当の○○様のお時間をいただいている○○と申します。お取り次ぎをお願いいたします」
基本的には、相手の名前と自分の名前を言えばOKです。待合場所ではスマホを手に取らず、ビシっとした姿勢で待ちましょう。
控室のポイント
企業により異なりますが、面接の準備がかかるまで、控室や待合スペースで一時的に待たされる場合があります。先客がいて時間が押しているということもあるでしょう。
待合室に人がいるケースもありますので、静かに順番を待ちます。すでに面接は始まっていますので、スマホを触ったり周りをキョロキョロみるような行動は控えるようにしてください。会社のパンフレットや、受付で受け取った資料などを見て待ちます。
入室時のポイント
- ドアをノックし入室
- ドアを閉める
- 椅子のそばに立つ
- 座る
面接官に名前を呼ばれたらドアを3回ノックします。部屋の中から返事があったらドアを開ける前に「失礼します」と一言ことわってから入室します。扉を閉める際は、後ろ手で閉めるとマナー違反ですから、ドアの方に向かい静かに閉めるようにしましょう。
入室し、イスの横に着いたら「本日は面接のお時間をいただきありがとうございます。○○と申します。本日はよろしくお願いいたします」と言います。面接官から「おかけください」と声がかかったら着席してください。このとき、カバンもイスの横に置きます。
また、面接で使うお辞儀は場面によって異なることを覚えておきましょう。
- 入室時の会釈は敬礼(30度)
- 面接終了時の「ありがとうございました」は最敬礼(45度)
会釈の際、男性は手を体の脇にそろえ、女性の場合は手を体の前にそろえます。
自己紹介~経歴

実際に面接が始まると、自己紹介から経歴紹介と続きます。
- 自己紹介
- 経歴紹介
自己紹介のポイント
自己紹介は最初に求められますので、あらかじめ考えておきましょう。
面接官は「応募者が自社で活躍できる人材かどうか」という観点であなたの話をききます。そのため、自分が入社後に活躍しているイメージを持って考えるようにしてみてください。あなたの自己紹介で面接官にそのイメージが伝われば内定に一歩近づくはずです。
また、自己紹介は冒頭で求められるため、人としてのコミュニケーション力を見られます。面接官の目をしっかりと見て、やわらかい表情でハキハキと話すようにしましょう。
経歴紹介のポイント
経歴を紹介する際は「これまでの仕事で上げた実績」を具体的に述べるようにしましょう。数字を織り込んで説明できると尚良いです。
「目標としていたノルマを6ヵ月連続で120%達成した」というような表現でもいいですし、「問題解決力」「統率力」などのキーワードを利用して簡潔に伝えられればOKです。気になった点は面接官が質問してくれますので、なるべく短く簡潔に伝えましょう。
また、「学生時代の経歴」「学生の時に頑張ったこと」などを話すのはNGです。新卒の面接であればよいのですが、転職面接は仕事や社会人としての経験をベースにアピールする必要があります。
自己紹介・職務経歴は結論から話す
自己紹介や職務経歴を話す際は、結論→具体的な行動→将来の展望という順番を意識してみてください。面接官に良い印象を与えられます。
具体的な文章だとこのようになります。
「私は3年間、法人営業をしてきました。テレアポ営業がメインでしたが飛び込み営業をすることもありました。貴社ではこれまでの経験を活かし、営業部で売上を達成し続ける人材になりたいと考えています」。
具体的な行動にあたる部分は「自信のある実績」であると更に良いです。
たとえば、「前年同月比で120%の売上を達成した」「営業部で○人の社員を教育し売上が○○%上がった」などです。実績を提示するときは「なぜそうしようと思ったのか」「自分なりに工夫したこと」などを話せると説得力が増します。
締めの部分である今後の展望は「あなたの力になれます!」という自信に満ちた表情で面接官の目を見て伝えましょう、ポジティブな印象を与えることで、内定もグッと近づきます。
ただし、長々と語るように説明するのではなく、簡潔に分かりやすく話すことを心がけてください。言いたいことを一度に言おうとすると収集がつかなくなる可能性がありますから、簡潔に述べ、面接官からの質問に身をゆだねましょう。
転職理由~志望動機

経歴まで伝えたら、次は転職理由や志望動機を聞かれます。ここは面接の中でも重要なヵ所で、受け答えによっては採用に影響を及ぼします。
転職理由のポイント
転職理由を述べる際は、「現職・前職で不満に思っていたこと」といったネガティブな理由ではなく、「あなたの理想のキャリアプランを構築するにあたり最適ではなかった理由」を起点に考えましょう。普通、転職理由はネガティブになるものですが、将来を見据えた理由を起点にすると自然とポジティブな転職理由になります。例として、下記の転職理由を参考にしてみてください。
「私は4人の家族を持っているため、収入を安定的にさせたいのですが、前職の会社は歩合制であるため、なかなか収入が安定しませんでした。貴社は固定給であるため、収入が安定するのではないかと思い、応募させていただきました」
上記のような転職理由は割と頻繁に使われます。お金だけのこととはいえ、面接官を納得させられる合理的で堅実な転職理由になります。人により理由も様々ですが、次に紹介する志望動機に上手くつながるようにすることもポイントの一つです。
志望動機のポイント
志望動機の基本的な形は「これまでのあなたの経験をもとに、どう貢献していくか」です。この形に当てはまれば面接官からの納得感を得やすく、面接が苦手な人でもスムーズに伝えられます。
たとえば、「マネージャーとして積んできた経験を貴社でもリーダーとして役立てていきたいです」という表現が考えられます。上記のような経験に加え、仕事に対する意欲や考え方を合わせて伝えると更に良いです。
ただし応募した企業が理想とする人材像と、あなたが将来実現させたい未来・キャリアが合致していないと、いくら熱意をもって伝えても伝わりません。
よくあるのは「将来独立したいと考えているので、まずは貴社で実績を積み上げていきたい」と考える転職者と「独立ではなく、いずれは会社の役員になって末永く活躍してほしい」と考える人事(面接官)との不一致です。ベンチャー企業であれば「独立支援」を謳っているところもありますが、中小や大企業ではそうでない場合もあります。
こういった不一致を防ぐためにも、事前のチェックが大切です。
入社・諸条件について

志望動機などの次は、入社や条件について質問される場合があります。
- 希望の年収について
- 勤務について
- 可能な出社日について
こちらも軽視してはいけない内容ですので、聞かれた場合にはどう答えるかしっかり決めておきましょう。
希望の年収について
転職面接では「希望の年収はありますか?」と年収について聞かれるかもしれません。この質問の意味は「あなたが思うあなた自身の価値と、応募会社が思うあなたの価値のすり合わせ」ですので、もし給与アップなどを望んでいる場合は、提示する金額に説得力や実力が伴っていなければいけません。
ここで交渉する際は、前職に対する「不満」を並べてはいけません。前職における「実績・実力」「客観的な評価」、あるいは業界の水準など市場との相対で見た数値といった「根拠」を示す必要あります。
金額のことなので言いづらさもありますが、後々給与面で後悔しないためにも、根拠をもとにキッパリと言い切りましょう。
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勤務地について
次に聞かれることが多いのは「勤務地についての希望はありますか?」という質問です。
この質問のやっかいなところは「単に希望の勤務地を聞いているだけのケース」と、「企業に対する志望度合いを見ているケース」の2つがあるという点。
たとえば、全国展開しているような大手企業であれば遠くへの転勤もありますし、海外赴任の可能性すらもあります。当然、面接官サイドも、「転勤は絶対にしたくない」という人を採用したいと思いませんから、回答は慎重に行うべきです。この場面でイエスマンになると後悔につながるかもしれないので、勤務地についても事前の回答を練っておきましょう。
先ほどの金額交渉もそうですが、企業の内情をよく知っている転職エージェントに前もって模範解答を聞いておくと安心できます。
入社時期について
最後の方によく聞かれるのは「入社可能時期はいつですか?」という質問です。この質問も事前に回答を準備しておかないと、失敗につながる可能性があります。
その場であやふや回答をしてしまうと「スケジュール管理をできていない」というイメージを与えますし、適当に回答すると現職の退職日との折り合い付かなくなってしまうリスクがあるためです。
離職して転職活動を行っている方であれば「いつでも」という回答になるかと思います。現職を続けながらの転職活動であれば、引継ぎの期間を考慮しなければなりません。その場でとっさに日付を決めるのは難しいので、日程を頭の中に入れておき、いくつか候補日を自分の中に決めておきましょう。
逆質問~面接終了

面接終盤の定番「逆質問」について解説していきます。面接も終盤だからと油断せず、落ち着いて対処します。
逆質問のポイント
まず「逆質問で絶対にやってはいけないこと」は下記の2つです。
- 事前に募集要項やホームページをなど調べておけば分かる質問
- 面接中に面接官が説明したことを再度質問してしまう
ただし「募集要項に書いてあることについてもっと詳しく知りたい」「ホームページの事業紹介についての質問」など、事前情報を深堀する内容であればOKです。良い質問は面接官に良い印象を与えます。
では、良い質問とはどのような質問なのでしょうか。以下にて見てみましょう。
良い質問の例
- あなたのやる気を見せるための質問例
- あなたの長所をアピールする質問例
- 聞きづらいことに対しての質問例
について、それぞれ2つずつ紹介していきます。
- 【あなたのやる気を見せるための質問例】
- 「もし採用いただいた場合、どこの部署への配属となりますか?」
「○○部署の仕事について、詳しく教えていただいてもよろしいでしょうか」 - 【長所をアピールするための質問例】
- 「忍耐力があると言われるのですが、御社ではどのような資質が問われますか?」
「ストレス耐性が強いと診断結果で出たのですが、御社の仕事量はどのくらいのものですか?」 - 【聞きづらいことに対しての質問例】
- 「前職では週に3時間ほど残業することが多かったのですが、御社の平均はどれくらいですか?」
「仕事の繁忙期はいつですか?」
逆質問は最後の締めくくりの場合が多いため、どうしても受かりたい応募先である場合は事前に用意しておきましょう。
1人で不安な場合は転職エージェントと二人三脚がおすすめ
この記事では、転職面接の流れを網羅的に紹介してきました。面接は転職活動のメインなので、流れをつかんだり事前の準備が内定獲得のカギを握っています。
また前述の通り、面接は事前の準備が非常に重要です。そして「企業のことをどれだけ深くまで理解できているか」が面接の命運を分けます。そういった面でいうと、転職エージェントは紹介する企業の内部事情を詳しく知っていますので、相談することで有効な情報を得られる可能性は非常に高いです。
そのため「転職エージェントに相談する」という近道があることも覚えておいてください。
当サイトでおすすめしている転職エージェントはリクルートエージェント。国内最大級の転職エージェントなので、登録しておいて損はありません。他にも幅広く抑えておきたいなら、dodaエージェントやマイナビエージェントなどにも登録しておくと安心です。
転職エージェントは、個人との相性で満足度が大きく変わります。エージェントの変更もできますが、複数のサービスのエージェントとやりとりをし、あなたに合ったサービスかどうか見極めるのも良いでしょう。
転職サイトの場合は、サイトによって求人に違いも出るため、抜け漏れが無いように複数にわたってチェックしておくのが安心です。